川村芳枝 ポエム&エッセイ

盛岡心理カウンセリングセンター(ポエム&イラスト集 出版予定です)

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手のひらからすべり落ちる砂 (ポエム部屋)

      2019/11/27

ねぇ
例えば

手のひらからすべり落ちる砂と
手のひらに残った砂とが あるとしたならば

手のひらに残った砂が普通とか
落ちた砂は普通じゃないなんて一体…誰が決めたの?

ねぇ
道ばたに
誰にも気付かれぬよう 息さえも潜めながら
可憐にそっと咲いているすみれよりも

深紅でゴージャス ダイナミックな薔薇の花が美しいだなんて
一体…誰が決めたの?

手のひらからすべり落ちる砂だって
たくさんの良いところ
秘めた可能性を無限に持っている
(もしかしたら 手のひらに残った砂よりも…。)

砂の一粒一粒には
きっと素敵な個性が各々あって それぞれの役割がある

すみれだって
花屋の店頭には 薔薇のように並ぶことはできないけれど
お母さんと よちよち歩きをした女の子が
その愛くるしさに 
可愛いと思わず手を伸ばしたり

歩き疲れたおばあちゃんが座った石のたもとで
すみれはきっと…。
おばあちゃんの顔を満面の笑顔にしてくれる…。

手のひらからすべり落ちる砂

【 イラスト menkosora 】

 - ポエム部屋