2人の私

イラストbyおら丸
陽射しの下を駆け足で走り回っている私
誰も見てくれなくても 太陽はいつも
一緒に廻ってくれている
悲しみで溢れかえっている心を 感じる暇もない
誰も傍にいなくても
太陽はいつも私のことを見てくれている
やがて 太陽は名残惜しそうに
少しずつ沈んでゆく
オレンジから
神々しいほどの光を放つ
金色の粒子を辺りにたくさん散りばめながら
そのときの山並みは
心が震えるようなメロディーを奏でながら
やがて群青のとばりの中へと沈んでゆく
辺りから生き物の喧騒が消え
やっと私は
悲しみの湖のほとりで 一息つくことが出来る
悲しみで溢れかえっている私が
きっと本当の自分
思う存分悲しみに浸りながら
今夜も会えるはずのない
大切な人を探しにゆく
月の明かりが
真っ暗な足元を照らし
一体この道はどこまで続いているのだろう
ただ君に逢いたいだけ
ずっと ずっと 果てしない道を
朝がくるまで
ただ歩くだけ…
