自律訓練法は、心身をリラックスさせることで、心身のバランスの回復や健康増進に役立てていく訓練法です。1900年の前半、ドイツの精神科医シュルツが、催眠の研究を元にして自律訓練法を作り上げました。
私たちの身体をつかさどる自律神経は、交感神経と副交感神経からなっています。外界からの刺激に自律神経系は反応し、生体内のホルモンなどを制御します。交感神経は、心拍数と血圧を上げ、消化管の働きを抑えて身体を活動モードにします。副交感神経は、心拍数や血圧を下げ、消化管の分泌を活発にして身体を休息モードにします。
交感神経と副交感神経は、シーソーのようにバランスをとって身体を安定した状態に保っています。ところが、ストレスが長期間に及ぶとそれが自律神経に波及し、交感神経だけが緊張するようになります。
交感神経の継続的で過剰な緊張は、全身の細胞に波及して障害を起こします。
自律訓練法は、交感神経優位の緊張した状態をといて、副交感神経優位のリラックスした状態を得ることを一つの目的としています。
<1 自律訓練法の一般的な効果>
● 疲労の回復
● 過敏状態の沈静化
● 気持ちが落ち着き、衝動的行動が少なくなる
● 身体の痛みや精神的な苦痛の緩和
● 向上心が増す
<2 自律訓練法の公式>
《 背景公式 》
気持ちが落ち着いている
《 基本公式 》
第一公式 両腕両脚が重たい
第二公式 両腕両脚が温かい
第三公式 心臓が規則正しく打っている
第四公式 とても楽に呼吸をしている
第五公式 お腹が温かい
第六公式 額が涼しい